外壁塗装の塗料には様々な種類が存在します。
シリコン塗料やフッ素塗料などの一般的な塗料と違い、あまり聞いたことがなくて気になる方も多いのではないでしょうか?
無機塗料とは、優れた性能をもつ最もグレードの高い塗料です。
ここ数年で開発が進んで登場した次世代塗料になります。
これまでのシリコン塗料やフッ素塗料以上の抜群の耐候性をもっています。
では、今回は外壁塗装の無機塗料の特徴や価格、注意点についてご紹介していきます。
目次
1. 無機塗料とは
2. 無機塗料の4つのメリット
2-1 耐用年数が長い
2-2 カビ・コケが繁殖しにくい
2-3 汚れにくい
2-4 燃えにくい性質がある
3. 無機塗料の4つのデメリット
3-1 価格が高い
3-2 ひび割れしやすい
3-3 艶なし塗装ができない
3-4 技術が確かな塗装業者にお願いする
4. 無機塗料の種類や価格
まとめ
1. 無機塗料とは
無機塗料はその名の通り、「無機物」という炭素を含まないものを配合して作られた塗料のことを言います。
無機物ってなに?と思われる方もいらっしゃると思いますが、無機物とはガラスや石などが無機物と呼ばれるものです。
無機塗料の場合はセラミックやケイ素などが主成分となっています。
無機物100%のものを外壁に塗装するというのはできませんが、有機塗料のウレタン塗料やアクリル塗料などの塗料と無機物を合わせることで無機物の特徴と有機物の特徴のいいところばかりを集めた塗料が無機塗料になります。
グレードが高くなればなるほど耐用年数は長くなり、金額も高くなります。
無機塗料は外壁塗料のなかで高グレードになります。
塗料の種類 | 費用(1㎡あたり) | 耐久年数の目安 |
アクリル | 1,400~1,600円/㎡ | 5~7年 |
ウレタン | 1,700〜2,200円/㎡ | 8〜10年 |
シリコン | 2,300~3,000円/㎡ | 10~15年 |
フッ素 | 3,800~4,800円/㎡ | 15~20年 |
無機 | 4,500~5,500円/㎡ | 20~25年 |
2. 無機塗料の4つのメリット
無機塗料のメリットはどのようなものがあるのでしょうか?
では、無機塗料のメリットについてご紹介していきます。
2-1 耐用年数が長い
無機塗料の最大のメリットは、耐用年数が長いことです。
無機塗料は一度塗装すると、20年から25年の耐久性があると言われています。
その理由として、高耐候性に優れているという特性があるためです。
紫外線は劣化を進める一番の原因ですが、無機物自体は劣化することがないため
紫外線による劣化を長期間防ぐことが可能です。
他の塗料ですと長くても15年ほどの耐久性なので、無機塗料で塗装すれば長期間外装塗装を行わなくてもいいということになります。
「とにかく長く持たせたい」「最後の塗装にしたい」とお考えの方におすすめの塗料です。
2-2 カビ・コケが繁殖しにくい
無機塗料は、カビ・コケ・藻が生えにくい性質を持っています。
なぜなら、カビ・コケなどの栄養分である有機物の含有量が少ないからです。
汚れやカビ、コケが付着すると外壁が緑色や茶色に汚く見えたり、古びた印象を与えてしまいます。
無機塗料であれば外観を長く美しく保つことができます。
2-3 汚れにくい
無機塗料は水に馴染みやすいので、汚れが外壁に付着したとしても、雨が降れば汚れと外壁の間に雨水が入り込み、その雨水によって汚れを流してくれるのです。
また、無機塗料は静電気が起こりにくいという特徴もあり、静電気が起こりにくいのでゴミが引っ付きにくいというわけです。
ゴミが外壁に多くついてしまったり、汚れが多くついてしまうと見た目が悪くなるのはもちろんですが、そこから外壁が傷んでしまうということもあります。
なので、汚れにも強いというのは嬉しいですね。
2-4 燃えにくい性質がある
ガラスや石などを主成分とする無機物には、炭素が含まれていないこともあり非常に燃えにくい特徴があります。
有機塗料も含まれているので完全に燃えないというわけではないのですが、燃えにくいので近隣で火事があった場合でも燃えにくいため、逃げる時間にゆとりができたりというメリットもあります。
3. 無機塗料の4つのデメリット
無機塗料はとても優れた塗料ですが、デメリットも存在します。
ここでは4つのデメリットをご紹介します。
3-1 価格が高い
無機塗料の最大のデメリットは、何と言っても価格です。
単価が数百円でも変われば全体のコストが数万~数十万円も変わるため、予算に大
きく影響を与えてしまうでしょう。
長期的に考えればコスト削減になりますが、無理をせずに予算を考慮して検討する
といいと思います。
3-2 ひび割れしやすい
無機塗料はガラスや鉱物など固い物質を主成分としているため、塗膜が硬くて柔軟性に欠け
るので、ひび割れを起こしやすいデメリットがあります。
そのためひび割れしやすい外壁の場合には、無機塗料の選択はおすすめできません。
3-3 艶なし塗装ができない
無機塗料は艶なしでの塗装はできません。
そのため、「重厚感を持たせたい」「落ち着いた仕上がりにしたい」方にとっては
デメリットになります。
種類によっては5分艶・3分艶に調整できる塗料もあるので、少し艶をおさえた仕
上がりにすることは可能です。
3-4 技術が確かな塗装業者にお願いする
無機塗料は外壁塗装するのが難しいとされています。
しっかりとした技術力がある職人さんでないと、塗料が剥がれてくることもあり、期待通りの効果は見込めません。
きちんとした効果を得るためにも、無機塗料の実績がある塗装業者さんを探して依頼するといいでしょう。
4. 無機塗料の種類や価格
外壁塗装の無機塗料の特徴について紹介してきました。
外壁塗装で無機塗料にしようかな?と思っている方が一番気になるのは価格ですよね。
では、次は無機塗料の種類や価格について紹介していきます。
メーカー | 商品名 | タイプ | 料金(円/㎡) |
KFケミカル | セミフロンスーパーシリーズ | 無機有機ハイブリッド塗料 | 2,500~3,300円 |
エスケー化研 | エスケープレミアム無機 | 超低汚染性ハイブリッド水性無機有機 | 2,800~3,400円 |
日本ペイント | パーフェクトセラミックトップG | 水性2液形セラミックハイブリッド超高耐候超低汚染無機系塗料 | 4,040円 |
関西ペイント | アレスダイナミックMUKI | 超耐候性超低汚染ハルスハイリッチ無機有機ハイブリッド塗料 | 3,000~3,800円 |
無機塗料の価格や種類は上記のようになっています。
無機塗料の外壁塗装を行う場合、塗料の費用だけでなく、足場設置費用や洗浄費用などがかかってきます。
無機塗料を外壁塗装で行う場合の相場価格も坪数ごとに、下記でご紹介していきます。
坪数 | 料金 |
20坪 | 約80~120万円 |
30坪 | 約110~160万円 |
40坪 | 約140~190万円 |
50坪 | 約170~220万円 |
60坪 | 約200~250万円 |
70坪 | 約230~280万円 |
80坪 | 約260~310万円 |
一般的な2階建ての概算になります。
お家の形状や状態と、他に一緒に塗装する部位によって変動しますので、あくまで目安としてお考え下さい。
まとめ
無機塗料は、劣化しにくく長持ちするとても理想的な塗料です。
長期的なコストパフォーマンスを重視する方や今後の塗り替え回数を減らしたい方
にはぜひおすすめの塗料となります。
しかし、一般的な有機塗料と比較すると価格が高いデメリットがあります。
メリットとデメリットの双方をよく見極めた上で塗装するかどうかを決めることが
大切です。
しっかりプランを立て、ご自身が納得いく塗装を実施しましょう。
ぜひ参考にしてみてください。
最後までご覧くださり、ありがとうございました。
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